デビットカードで分割払いはできる?後払いについても解説
金融メディア

日本では高齢化により収入のない人や、非正規労働で収入の低い人が増えるにつれて、デビットカードの注目度が上がっています。
しかし、デビットカードの基本的な仕組みや、利用限度額などを知らない人が多いです。
この記事では、デビットカードは分割払いできるのか、残高不足の場合はどうなるのか、などについて解説します。
あなたにデビットカードが向いているのか判断できるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。

目次
デビットカードとは

デビットカードとは、商品やサービスを購入した際の代金が、決済と同じタイミングで銀行口座から引き落とされるカードです。
決済と同時に代金が引き落とされるため、この決済方法は「即時払い」と呼ばれています。
クレジットカードは支払までに時間差があるため、「後払い」に分類されます。
デビットカードは、銀行口座の残高の範囲内でしか利用できません。そのため、現金や電子マネーと同じような感覚で利用できることが特徴です。
デビットカードは分割払いできる?

デビットカードでは、分割払いができません。
デビットカードの支払方法は、商品やサービスの代金が一度に引き落とされる「1回払い」のみです。どこの会社のデビットカードでも、決済方法は基本的に1回払いとなっています。
デビットカードはなぜ分割払いできない?

デビットカードは、与信審査がなく、代金が口座からすぐに引き落とされるため、分割払いができません。
ここでは、デビットカードで分割払いができない理由を解説します。
与信審査がない
デビットカードを申し込む際に与信審査がないため、デビットカードでは分割払いができません。
分割払いは代金を複数回に分けて支払う「後払い」です。後払いはクレジットカード会社などが代金を立て替える「信用取引」のため、利用者が代金を支払う能力があるかを判断する与信審査が必要です。
一方でデビットカードは、利用者の銀行口座の残高内で決済が完了するので、銀行が代金を立て替える必要がありません。
このようにデビットカードは与信審査がなく、利用者の支払い能力を担保できないため、分割払いを提供できません。
銀行口座からすぐに引き落とされる
デビットカードの大きな特徴の一つは、利用代金が銀行口座からすぐに引き落とされる「即時払い」です。
分割払いは決済額を複数回に分けて支払う仕組みですが、デビットカードは利用と同じタイミングでに代金が引き落とされるので、分割払いをするという概念が成り立ちません。
即時払いはデビットカードの基本的な設計思想であり、後払いや分割払いができない大きな理由の一つです。
デビットカードとクレジットカードの違い

デビットカードとクレジットカードは、どちらも現金の代わりに利用できる便利な決済手段です。しかし、それぞれの仕組みには大きな違いがあります。
デビットカードとクレジットカードの主な違いを以下の表にまとめました。
| デビットカード | クレジットカード | |
| 支払方法 | 即時口座引き落とし | 後払い (請求日にまとめて引き落とし) |
| 利用限度額 | 口座残高もしくは設定した限度額 | 審査で設定された与信枠 |
| 審査の有無 | 基本的に不要 | 必要 |
| 支払い回数 | 1回払いのみ | 1回払い、分割払い、リボ払いなど |
デビットカードは口座残高が利用限度額となりますが、クレジットカードは審査で設定された信用枠の中で利用可能です。
デビットカードとクレジットカードの違いを理解して、あなたのライフスタイルに最適なカードを選んでください。
デビットカードのメリット

デビットカードは、申込時に審査が不要で、お金の支出管理もしやすくなります。
ここでは、デビットカードのメリットを解説します。
お金の支出管理ができる
デビットカードの大きなメリットは、支出の管理がしやすい点です。
利用した金額がすぐに銀行口座から引き落とされ、残高以上に利用できず、使い過ぎを防ぐことができるためです。
デビットカードの利用履歴は銀行の入出金明細に記録されるため、銀行の通帳やアプリを家計簿の代わりに利用できます。
使用の履歴が残るデビットカードは、いつ・どこで・いくら使用したか把握できるため、収支を正確に把握したい人におすすめです。
審査が不要
クレジットカードの申し込みには必ず与信審査がありますが、デビットカードには審査がありません。
そのため、クレジットカードを持てない未成年者や、安定した収入がない人・働いていない人でも、比較的容易にカードの発行が可能です。
デビットカードは、初めてキャッシュレス決済に触れる人のための有力な入口となります。
デビットカードが残高不足の場合は後払いできる?

デビットカードは、残高不足であっても後払いはできません。
残高が不足しているのに決済をすると、エラーとなり利用できないためです。
ただし、一部例外があり、最大10万円ほどの与信枠が設定されていて、一時的に建て替えるサービスもあります。また、定期預金などを担保に、普通預金の口座残高以上の利用を可能にするサービスを提供している金融機関もあります。
これらのサービスは、デビットカードが残高不足で利用できないという問題を解消するためのものです。利息が発生する場合もあるため、基本的なデビットカードの仕組みとは異なると理解しておきましょう。
まとめ
デビットカードとは、決済した商品やサービスの代金が、すぐに銀行口座から引き落とされるカードです。
デビットカードは、分割払いに対応していません。デビットカードは申し込み時に審査がなく、信用枠が設定されていないためです。
また、利用代金が銀行口座からすぐに引き落とされる仕組みであることも、分割払いができない理由の一つです。
一方でクレジットカードは申込時に審査があるため、利用限度額の中で分割払いができます。
デビットカードを利用すると、利用履歴が銀行の通帳やアプリに記録されます。支出が見える化されるため、お金の管理がしやすくなるメリットがあります。
デビットカードの基本的な仕組みを理解して、あなたのキャッシュレス支払いに活かしてください。