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取引信用保険とファクタリングの違いとは?メリットや保険料の相場も解説

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取引信用保険とファクタリングの違いとは?メリットや保険料の相場も解説

取引信用保険は、貸倒れが発生した際の補償として多くの企業が活用しています。

しかし、取引信用保険の仕組みを知らずに契約して、無駄に保険料を支払うケースも多いです。

この記事では、取引信用保険の仕組みやメリット、ファクタリングとの違いなどを解説します。

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この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。

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取引信用保険とは

取引信用保険とは、取引先の倒産などで売掛債権を回収できなくなった際に、保険金で損失を補填できるサービスです。

法人間の取引の多くは、決められた期日までに代金を支払う掛け取引をしています。

そのため、期日までに取引先が倒産すると、代金の回収が難しくなり、資金繰りが悪化してしまいます。

売掛金が回収できずキャッシュ不足になり、黒字でも倒産してしまうケースは多いです。

このような回収不能によるリスクを避けるために、取引信用保険が利用されます。

取引信用保険に加入していれば回収不能となった金額を補填でき、資金繰りの悪化を防げるでしょう。

取引信用保険の保険料

取引信用保険の保険料は、支払限度額の1~3%が目安です。

例えば、売掛金が回収不能になった際の支払限度額が1,000万円に設定されていて、保険料率が3%の場合、年間の保険料は30万円となります。

保険料率は、取引先の信用状況や取引先件数・経済状況などさまざまな要因により変化します。

保険会社ごとに独自の保険料率を設定しているため、複数の見積りを取るのがおすすめです。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング業者に売却して資金を調達する方法です。

売掛債権の金額から、手数料を差し引かれた金額が手元に入ります。

売掛債権の本来の入金日よりも早く資金が手に入るため、直近の資金が不足している場合などに利用されます。

ファクタリングを利用する際には審査があり、すぐに入金されるわけではありません。

急ぎで資金が必要な場合には、手続きにかかる時間を確認しておきましょう。

ファクタリングについては、以下の記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。

取引信用保険とファクタリングの違い

取引信用保険とファクタリングには、目的に大きな違いがあります。

取引信用保険は売掛債権が回収不能となった際のリスク回避が目的であり、ファクタリングは短期的な資金調達が目的です。

また、入金のタイミングも異なります。

取引信用保険は貸倒れが発生した際に保険金が入金され、ファクタリングは売掛債権を売却した際に入金されます。

そのため、いつ入金されるか決まっていない取引信用保険は、資金調達に使えないので注意しましょう。

取引信用保険のメリット

取引信用保険は、貸倒れ発生時に保険金が入金されるため、連鎖倒産を防げます。

ここでは、取引信用保険のメリットを解説します。

連鎖倒産を防げる

売掛債権が貸倒れた際は、資金繰りの悪化による連鎖倒産に注意が必要です。

経営状態が黒字だとしても、手持ちの資金が不足して不渡りが発生すると、実質的に倒産状態になる可能性があります。

また、買掛金の支払いが遅れると、仕入先から「この会社は危険だ」と判断されて信用を失います。

このような、会社の存続にも関わるリスクを回避できるのが取引信用保険です。

取引先の与信を確認できる

取引信用保険に加入すると、取引先の信用情報を確認できます。

取引信用保険の申込時には、保険会社が取引先の与信を審査するためです。

自社で与信管理をしていても、取引先の本当の経営状況は正確に分からないものです。

しかし、保険会社の与信審査とのダブルチェックを実施すれば、情報の確度を上げられるでしょう。

取引信用保険に加入していると、保険会社から定期的に取引先の信用情報が提供されます。

与信が悪化した場合は、取引金額を減らすなどの対策を取れば、貸倒れが発生してもより少ない損害に抑えられるでしょう。

与信管理については以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

取引信用保険のデメリット

取引信用保険は、特定の1社を対象とするのではなく、複数の取引先が対象です。

ここでは、取引信用保険のデメリットを解説します。

複数の取引先を対象とする必要がある

取引信用保険は、特定の取引先だけを指定できるのではなく、基本的に全取引先が対象です。

保険会社によっては、全取引先だけでなく、10社以上などの条件が設定されている場合もあります。

「A社の経営状況が危ないから信用取引保険に加入したい」と考えても、特定の1社だけを指定できないため注意が必要です。

与信審査がある

取引信用保険に加入する際は、保険会社による取引先の審査があります。

与信状態の悪い取引先が多いと、保険料が高くなる・補償額が少なくなる、などのデメリットが発生します。

また、最悪の場合は保険への加入を受け入れてもらえず、貸倒れのリスクを回避できない可能性もあります。

まとめ

取引信用保険とは、取引先が倒産して売掛債権を回収できなくなった際に、保険金で損失を補填できるサービスです。

取引信用保険と似ているサービスに、売掛債権を売却するファクタリングがあります。

取引信用保険がリスクの回避を目的とするのに対して、ファクタリングは資金調達を目的としています。

取引信用保険を活用すると、貸倒れ発生時に資金繰りの悪化を防げて、連鎖倒産を防げるメリットがあります。

一方で、保険の対象は全取引先が基本であり、与信状態の悪い得意先だけを対象とはできないため注意が必要です。

与信状態が不安な取引先が複数ある場合や、経済状況が悪化したときなどは、取引信用保険を活用して自社のリスクを回避してください。

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