信用保証協会の保証とは?仕組みやメリットを解説
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信用保証協会は、中小企業や個人事業主が融資を申し込む際に、強力なサポートをしてくれる公的機関です。
しかし、初めて保証協会の保証を受ける人や、これから事業を起こす人は、どのようなサポートがあるのか知らない人も多くいます。
この記事では、信用保証協会の概要や、主な保証メニューを紹介します。

この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。

目次
信用保証協会の保証とは?仕組みをわかりやすく解説

ここでは信用保証協会とはどのような機関なのか、信用保証制度の仕組みなどについて解説します。
信用保証協会とはどんな機関?
信用保証協会とは、信用力や担保力が十分でない中小企業や小規模事業者が融資を受ける際に、その債務を公的に保証する期間です。
信用保証協会が債務を保証することにより、円滑な資金調達が可能となり、経済の発展に寄与します。
信用保証協会は、国が運営する日本政策金融公庫と保険の契約を結んでいます。信用保証協会が債務の保証をした会社が倒産などで返済できなくなっても、保証協会が代わりに銀行へ返済した金額の大部分は保険金として公庫から保証協会へ支払われます。
この仕組みのおかげで、会社の倒産が増えても保証協会が倒産することはなく、安心して中小企業を支えられます。
なぜ中小企業に保証制度が必要なのか
設立したばかりの会社や、規模の小さな個人事業主は、実績による信用や担保になる土地や建物を持っていない場合がほとんどです。
そのため、銀行は融資をするのにリスクがあると判断して、資金調達が難しくなります。
日本にある会社のうち、99%以上が中小企業や個人事業主です。中小企業や個人事業主がスムーズに資金調達できないと、日本の経済が停滞してしまいます。
そこで登場するのが「信用保証協会」です。
国がバックに付いている信用保証協会が保証人となって、信用力をカバーしてくれます。銀行も安心して、融資を実行できるでしょう。
中小企業の資金調達をスムーズにして、地域の雇用や日本経済を守るために、信用保証協会はなくてはならない機関です。
信用保証協会の保証を利用するメリット

信用保証協会の保証を利用すると、融資を受けやすくなり、資金繰りの改善に繋がります。
ここでは、信用保証協会の保証を利用するメリットを解説します。
金融機関から融資を受けやすくなる
最大のメリットは、銀行などの金融機関から融資を受けるためのハードルが大きく下がることです。
実績の少ない会社や担保の少ない個人事業主でも、保証協会が債務を保証することで、銀行の審査に通りやすくなります。
また、保証がつくと通常よりも「長めの期間での返済」や「金利を低く抑えられる」などのメリットもあります。ゆとりを持った計画的な資金調達が可能になるでしょう。
創業時や資金繰り改善にも活用できる
信用保証協会の保証は、会社の成長ステージやトラブルに合わせて、さまざまな種類が用意されています。
例えば、これからビジネスを始める人には、実績ゼロでも申し込める「創業関連保証」がああります。また、経営者個人の保証人が不要な制度「スタートアップ創出促進保証制度」もあります。
さらに、地震や台風などの自然災害、急激な経済不況で売上が落ち込んだ時には、「セーフティネット保証」という特別な支援が発動します。セーフティネット保証は、普段使える枠とは「別枠」で、緊急の運転資金を借りられます。一時的なピンチを乗り越えるための、強力な味方となるでしょう。
信用保証協会の保証付き融資の流れ

ここでは、信用保証協会の保証を受ける際の流れを解説します。
金融機関へ融資を申し込む
信用保証協会の保証付き融資を受けるには、まず銀行などの金融機関で融資の相談をします。
決算書や事業計画書などをもとにして銀行が審査をします。銀行側が「保証協会の保証を使えば融資できそうだ」と判断したら、銀行があなたの申し込みを保証協会に取り次いでくれます。
信用保証協会による審査
銀行から保証協会に書類が送られると、保証協会が独自の調査をおこないます。
審査で見られるポイントは「事業をきちんと継続できるか」「毎月返済できるだけのキャッシュフローがあるか」などです。
また、あなたがどのような考えで経営しているかをヒアリングして、将来性があるかも考慮されます。
創業融資の場合は、事業計画の現実味や、自己資金を自分でしっかりと貯めているかも重要なポイントです。
保証承諾後に融資実行
審査が無事に通ると、保証協会から銀行へ「信用保証書」という、保証人を引き受けた証明書が届きます。
その後、あなたと銀行の間で契約を結び、口座にお金が振り込まれます。このお金が振り込まれたタイミングで、保証協会へ「信用保証料」を支払います。多くの場合は、借りたお金からあらかじめ差し引かれます。
信用保証協会の主な保証制度

信用保証協会の保証には、一般保証や創業関連保証などさまざまな種類があります。
ここでは、信用保証協会の主な保証制度を解説します。
一般保証
一般保証とは、普段のビジネスでよく使われる資金のための、基本保証メニューです。具体的には、以下のような用途に使用可能です。
- 仕入代金
- 給料の支払
- 機械やパソコンなどの設備資金 など
一般保証には、無担保で借りられる枠と、家や土地などの担保が必要な枠があります。一般的な会社の利用限度額は以下の通りです。
- 無担保保証枠:8,000万円
- 普通保証枠(担保が必要):2億円
合計で最大2億8000万円の枠があります。この限度額の範囲内であれば、複数の融資に分けて何回でも利用可能です。
創業関連保証
これから起業する人や、創業して5年未満の会社のための保証です。
創業関連保証は、無担保で最大3,500万円まで借りられます。
特に注目したいのが、2023年からスタートした「スタートアップ創出促進保証制度」です。
これまでは、会社でお金を借りるには、社長個人の連帯保証が必要となるのが当たり前でした。
この制度を使うと、社長の個人保証が不要です。もしも、事業がうまくいかなくても、社長個人の自宅や生活を失うリスクを避けられます。
セーフティネット保証
セーフティネット保証は、大規模な災害や深刻な経済不況から会社を守るための、特別緊急メニューです。
国が指定した災害や経済不況などが発生して売上が下がったら、市区町村の役所で「認定書」を取得できます。
認定書を取得できた場合は、一般保証の2億8000万円とは別枠で、最大2億8000万円の保証を使えるようになります。
信用保証協会の保証料とは?

信用保証協会の保証を利用する際は、保証料が発生します。
ここでは、保証料の仕組みや保証料率について解説します。
保証料とは
保証料とは、保証協会に「保証人になってもらうための手数料(利用料)」です。
保証料は、次の計算式により求められます。
・借入額×保証料率
例えば、借入金が500万円、保証料率が1%、返済期間が5年の場合、保証料率は137,500円になります。
保証料率は何で決まる?
保証料率は一律ではなく、会社の財務状況などに合わせて9段階に区分されます。
決算書をもとに審査され、もっとも安い「第1区分」となれば、年0.45%前後の料率となります。
反対に財務状況が不安定でリスクが高いと判断されると「第9区分」となり、年1.9%前後の料率となってしまいます。
一度も決算を迎えていない新設会社は、真ん中の「第5区分」が適用されます。
信用保証協会の保証を利用する際の注意点

保証を受ける際は、必ず審査が通るわけではありません。
ここでは、信用保証協会の保証を利用する際の注意点を解説します。
必ず審査に通るわけではない
「公的な機関だから、申し込めば誰でも保証してくれるだろう」と思うかもしれませんが、全員が審査に通るわけではありません。
会社の売上が落ち込んで深刻な赤字に陥っていたり、税金を滞納していたり、社長個人がブラックリストに載っていると、信用の観点から審査を通過することはできません。
代位弁済後も返済義務は残る
保証協会に保証をしてもらう上で、もっとも勘違いしやすいのが「代わりに返してくれたら、自分はもう返さなくていい」という点です。
滞納が3~6か月ほど続くと、銀行は保証協会に対して返済するように求めて、保証協会があなたの代わりに銀行へお金を一括返済します。(代位弁済)
しかし、これであなたの借金がなくなるわけではありません。単に返済する相手が、銀行から保証協会に変わっただけです。
代位弁済となると、次のような厳しい現実が待っています。
- 年14%の高額な遅延損害金が発生する
- 財産が差し押さえられる
- ブラックリストに載り、借金ができなくなる
返済が苦しくなったら、滞納して事態を悪化させる前に、銀行や保証協会に返済計画の見直しを相談しましょう。
まとめ
信用保証協会は、実績や担保が少ない中小企業や個人事業主の資金調達をバックアップする公的な機関です。
社長の個人保証がいらない保証制度や、自然災害などで困ったときの緊急別枠融資など、あなたの事業を支える保証メニューが揃っています。
信用保証協会の保証を受けるには、信用保証料が発生します。また、返済が遅れて代わりに支払ってもらうと、年14%の遅延損害金を請求され、財産を差し押さえられる事態に発展する可能性もあります。
信用保証協会を利用する際は、会社のキャッシュフローを計算して、無理のない返済計画を立てましょう。銀行や保証協会と誠実な関係を築き、あなたの会社を一歩ずつ成長させていくことが、持続可能な成功へと導いてくれます。